世の中の人すべて、師匠でない人はいない?
一般的に自分の尊敬する方、リスペクトする方を称して、「メンター」とか「師」または「師匠」などといいますね。
その師匠ですが、平澤興さんのお話の中では『プラス師匠』と『マイナス師匠』があるといいます。
師匠には二つありまして、よいことをするのはそのまま真似をしていい、プラスの師匠であります。
悪いことをして、やってはならんようなことをして、それを真似すまいという人は、師匠は師匠だがマイナスの師匠であります。そういうふうに見ますと、世の中のもの、こちらさえしっかりしておれば、師匠でないものはないわけであります。
あれはダメだというふうに捨ててしまうのは、気の小さい、奥の浅い人間がやることであります。どんな人間に対しても、悪い人ならばその人の真似はしない、運よくばこちらの真似をしてもらえれば結構でありますが、そこまでいきますと少しあつかましくなりますから、これは賢い人ほど悪い人までも師匠にするのであります。
賢くない人は、かなり賢い人を見てもなかなか師匠にはならんのであります。
ですからこのことは、考えようによっては世の中の人のよい人は狭い意味での師匠であり、真似をしてもいいという師匠であります。
悪い人は、普通は師匠とは申しませんけれども、やっぱりそんなことをするなと教えてくれるのでありますから、真似をしてはならん師匠であります。
言うならばマイナスの師匠であります。
プラスマイナスの別はありますけれども、まあこちらさえ落ち着いて広い心を持っておれば、世の中の人すべて、師匠でない人はいないということにもなるかと思うのであります。これはなんでもないようなことでありますが、毎日憤慨して生きるよりは、ずいぶんと嫌な人にも会うけれども、ああいうことをしてはならんのだなと、こっちは授業料を払っておるわけではありませんから、ただで教えてくださるのでありますから、ありがたいと思うのであります。
そういうふうに考えておりますと、世の中も広々としてきますし、またたとえ悪いことをやってもその人に人間としての愛情を持つことができるかと思うのであります。
平澤 興 講話選集「生きる力 自分を育てる」 致知出版社
人のふり見て我がふり直せとは言いますが、悪い部分をみて、「自分とは違うから」と無視するのではなく、自分の反面教師として学ぶと言う姿勢でいるのも大切ですね。
幸いにも顔も見たくない!というほどの人は、自分の周りにはいませんが、「嫌だなーっ」て人からも学べるところがあると思うと、苦手な人への接し方も変わるかも知れません。
まさに「我以外皆我が師」ですね!
(アメリカの俳優、作家)クリス・コルファーさんの名言
『何度も何度も傷つけられたら、相手を紙やすりだと思えばいい。
多少、擦り傷は受けれど、自分はピカピカになり、相手は使い物にならなくなる』
あなたの毎日がワクワクに溢れますように。