大事にするから好きになる⁉️
あたり前な事でも、ちゃんと意識しているからこそ、その大切さに気づけることって、思っている以上にたくさんあるものかも知れません。
人と人とが関わりあい、その人との出会いが偶然にせよ、必然にせよ、少なからず影響をし合い人生を彩っているんだな〜とこの本を読みながら感じました。
喜多川泰 著 サンマーク出版
ビジネス書ではありませんが働く『場』というのは、はたして好きだから大事にするのか?という部分、学びでした。
「そういえば、張さん、俺今日でやめるんだよ」
張は手を止めずに、注文表を見ながらカクテルを作り始めた。
「どうしてやめちゃうの?」
「やる気がおきないから」
あまり難しい日本語はわからないと思い、裕樹は適当に返した。
「もったいないね。こんなに素晴らしい国にいるのに」
「素晴らしい?どこがよ。今の日本は素晴らしくないでしょ」
張は笑顔で首を振った。
「日本嫌いですか?」
「好きじゃないね。もっといい時代に生まれたかったし、もっと自由な国に生まれたかったよ」
「裕樹さんダメね」
「ダメ?どうして?」
「日本以上に自由な国ないよ。夢のような国。外国行って見れば分かる。ここ宝の山ね。わかる?」
「宝の山?」
「そう。私にはそう見える。裕樹さんには見えない。大事じゃないから見えない」
「大事じゃないから?」
「そう。嫌いってことは、大事にしてないってこと。それダメ。自分の国、嫌いってことは、自分の国大事にしてないってこと」
「好きなら大事にするよ」
「違うね。大事にしないから好きじゃない。わかる?」
話ながらも張は次々とカクテルを作っていく。
「家族好き。だから家族大事にするウソ。家族大事にする、だから家族好きホント。お店好き、だからお店大事にするウソ。お店大事にする、だからお店好きホント。私の言ってることわかりますか?」
「ああ、わかるよ。大事にするから好きになるってことね」
「そう、そう。裕樹さんが嫌いなもの、裕樹さんが大切にしていない。日本も、お店も。だから嫌いでやめたくなっちゃう。違う?」
裕樹は苦笑した。
「そうかも知れない・・・・」
「自分の居場所を大切にしている人は、信頼されるね。
日本に来てそれ教えてもらった。裕樹さんはもったいないよ。
こんないい国にいるんだから、裕樹さんにやる気さえあればなんだってできる国じゃない。そんな国、世界中どこにもないね。
はい、できた。」
張は十六人分のドリンクをカウンターに並べ終えた。
つい「好きなら大事にするけどさ〜」とか感じてしまうものですが、まず大事にするが先なんですね。
「楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しいのだ」というのがありますが、まずは行動、それに伴い感情がついてくるということなんだと思います。
喜多川泰さんの名言
目の前の人を笑顔にする。
それをもっとできないかなぁって考え続ける。
それだけで人間は「使命」に導かれる幸せな人生になる。
自分の天職は?とか、使命とは?とか考えてもなかなか答えは見つからないもの。
それよりも、「目の前の人を笑顔にする」ためにできることを考えて行動していることが大事かも知れませんね。
あなたの毎日がワクワクに溢れますように。