何歳まで働きましょうか?
先日セミナーで聞いた話によりますと、以前「きんは100歳、ぎんも100歳」で100歳は珍しいものでしたが、今はもうすぐ7万人もの人々が100歳を超える時代だそうです。これはまだまだ伸びていく。
これは今後、定年の在り方自体も変わってゆくことだと思いますが、何歳まで働きたいですか?
人によっては早くセミリタイヤして悠々自適な生活を、夢見ている方もいるかと思います。
それも悪くはないと思いますが、100歳以上までサラリーマンとして働いていた方の考え方も覚えておきたいものです。
「どうして100歳になっても働くんですか?」と良く聞かれます。団塊世代でもう現役を引退した僕の息子ですら、あきれたり感心したりするくらいだから、みなさんがそう思うのも仕方がないことだよね。
でも、僕としては、普通だと思うことをただ続けてきただけなんだよ。
もちろん、働きたくても辞めざるをえない人は多いと思う。
会社勤めなら、定年で退職金をもらって引退してしまうのが普通だから、働いている高齢者が少ないのはそもそもしょうがないことだよ。
僕の方が珍しいんだろうね。
ただ僕は、元気な間は、人間はずっと働かなきゃいけないと思っているんです。
だって、動物は死ぬまで自分の力で食料を調達して生きていますよ。
人間も動物の一種なんだから、生きるために、死ぬまで働かなきゃいけないものなんじゃないかな。
そもそも、働くという字は「人」が「動く」と書くでしょう。太古の原始人というのは、誰もが自分で動いて、生きるために食べモノを採ったんだろうね。
それは、今の人間にもずっと備わっている本能なんじゃないかな。
僕と違って、「生活に困らないなら働きたくなんかない」と言う人もいるよね。
それは引退して、家でゆっくりしていたいということでしょうね。
もちろん、誰にも迷惑をかけず、楽しく生きていけるなら、それも良いことだと思う。
ただ、月給をもらうかどうかは別にして、元気でいる間は何もやらずにじっとしていても仕方がないんじゃないかと僕は思ってしまう。
僕の場合は全然動かないでいる方が疲れちゃうんだ。
逆に100歳まで会社で働いてきて、もう疲れたなんて思ったことはないくらいだよ。
僕自身は、49歳から始まったサラリーマン人生で、辞めたくなるほど嫌なことはありませんでした。
何しろ、あまり偉くなろうなんて思ってなかったから、気楽なものでした。
人間は、自分の置かれた運命に従って、そこで頑張っていくより仕方がないものなのです。与えられた運命のもとで、とにかく自分が精いっぱいできる努力をしていくしかない。
そして、どんなに努力してもうまくいかないからって、すぐにイライラしてはいけないんですよ。
僕は何歳になっても生きている間は働いたほうが良いと思うけれど、お給料をもらって働くことだけがいいと思っているわけではないんだ。
だってね、そもそも全員が死ぬまでお給料をもらえるような、そういう社会にはなっていないんですからね。
人間、自分勝手はいけないよ。
人のために何ができるかを考えて生きなきゃ、だめなんじゃないかな。
僕はそうした「利他」の考え方を人生の柱にして生きてきたんだ。
誰かに教えられたわけではないけれど、小さな頃から周りの人たちが、いつも助け合って生きていたから、自然に「利他の心が、生きていく上で大切なんだ」と思うようになったんじゃないかな。
特に大きな影響を受けたのは、母からなのかもしれないなあ。
母はとにかくいつも人のことをさりでなく見守っているような人だった。
そして、自分が何かをもらっても、貧しくて困っている人にあげてしまうような人だったんだ。
『100歳、ずっと必要とされる人』日経BP社
2014年まで現役だった、福井福太郎さんは、お金に困っているたわけではなく、もちろん地位や名誉のために働いているわけでもなかったそうです。
その 仕事内容は、宝くじの仕分けや枚数の勘定、売上管理など、地味な仕事であることは間違いない内容です。
「会社でそれなりに成功をした人」であれば、正直あまり面白いとは思えない仕事です。
それでも、過去の経歴が立派でも、決して偉ぶらず、他の社員の方たちと同じようにまじめに仕事をされていた。そして95歳では引退しようと本人は思ったけれど、まわりの人に「辞めないで」と嘆願され仕事を続けたそうです。
「なんのため」に働くか、地位や名誉、お金のためでなく、目の前の仕事の中に面白みを感じ、見つけ出せる人はいくつになっても必要とされ、働くことができるのですね!
仕事内容や肩書・地位ばかり気にしている人は「利他」とは逆の「利己」の人。
でも本当に人から必要とされるのは「利他の心」を持った人なんですね!!
いくつになっても必要とされる人でありたいものです!
内村鑑三さんの名言
『後世へ遺すべき物はお金、事業、思想もあるが
誰にでもできる最大遺物とは勇ましく高尚なる生涯である』
あなたの毎日がワクワクに溢れますように。