伝える秘訣はお客様もスタッフも一緒だと思うんです!
【何度も何度も伝える】
私の記憶力の問題かもしれませんが、何度も聞いてやっと理解できることがあるのです。
(山田さんが習っている華道・書道の)
先生は華の道、書の道を伝えてくださっています。先生によって、多少表現の違いはあっても、伝えられる本質は同じです。
商売も同じではないか、と思います。
店側はプロです。お客様が知らないことを伝え続けることで、お客様は多くのことを知ります。
なぜ、この商品がいいのか。なぜ、この商品のほうが、他の商品よりもお勧めなのか。
優れている所、工夫された所、そうしたことは一度知ってしまうと、知らなかったときには戻れないのです。
良いものを知ってしまうと、それ以前は気にならなかったことが気になってしまうのが人間です。
ところが一度伝えただけでは、その3割ほどしかお客様には伝わっていないのです。
ですから、一度伝えたからと言って、次回何も伝えないのは間違いです。お客様は忙しい素人です。
そのため、繰り返し同じことを伝えていく必要があるのです。
お客様とお話ししていると、「どうして、もっと早く教えてくれなかったの?」と言われることがあります。
そう言われると、心の中で「毎月毎月、もう2年も伝えているのに」などと思う事があります。
2年間毎月だとすると、23回同じことを伝えて、24回目にしてやっとわかっていただけたことになります。
今までの23回は、いったい何だったのか?と思います。
お客様にとって23回まではタイミングが合わなかったのでしょう。
24回目で、ようやく必要なタイミングがやってきたのです。
あきらめないでよかったと感じる瞬間は、毎月やってきます。
華道も書道も、同じことを繰り返し稽古し続けると、
ある日突然わかる瞬間がやってきます。
商売においては、お客様に伝え続けることがすべての基本です。誰かれかまわず、とにかく伝えることが商売の伝道となり、お客様にお買い上げいただく第一歩となります。
『大型店からお客様を取り戻す“3つのしかけ”』山田文美著 同文館出版