挨拶、知っている?
【知っているのと出来ているの差は?】
どの職業でも最初に習うのが挨拶だと思います。
「ありがとうございます!」
これはとっても大切です。
そんなの知っている?
ではちゃんと実践できていますか?
この小学生よりも。
↓
職場より、バスで帰っていた夕暮れのある日のこと。
私も、乗車しているお客さんもみんな、1日の疲れが出た表情でバスにゆられていた。
あるバス停で、部活帰りだろうか、乗っていた小学5年生くらいの少年がバスを降りようとした。
そのとき、少年は運転手さんに向かい、大きなハキハキとした声で、
「ありがとうございました」
とあいさつして降りた。
ボーっとバスにゆられていた私は、少々びっくりして乗降口に目を向けた。
「あぁ、あの子は礼儀正しいなぁ。偉いなぁ」と感心していた。
すると、少年はバスを降りてからもなお、くるりとこちらを向き、一段と大きな声で、
「ありがとうございました!」
と再度、深々と頭を下げたのだった。
正直驚いた。
バスのお客さんもみんな、少年を見た。
運転手さんも思わずニッコリし、
「ありがとう、暗いから気をつけて帰りぃよ」
と、マイクで返事をされた。
運転手さんは、すごく嬉しそうな表情だ。
その瞬間、疲れた表情のみんなの顔がニッコリ和いだ。
どんよりと疲れが充満していたバスの中が、一瞬で温かな気持ちに包まれたのが感じられた。
本当に数秒の出来事。
しかし私は、少年にすごく元気をもらったとともに、日頃忘れていた純粋さ、感謝の気持ちを思い知らされた。
「あいさつ」は大事だ、「感謝」は大事だと、何百回、何千回と聞かされてきた。
でも、「あいさつ」や「感謝」が、ここまでキラキラ輝くような力をもっていることを新鮮に実感できたのは、もしかしたら初めてだったかもしれない。
名も知らぬ少年が、とても大切なことを教えてくれた。
ほんとうにありがとう。
《熊本県 川崎梓(25歳)》
参考引用出典:『涙がとまらないすてきな物語』河出書房新社
「知っている」から、小さな「っ」を取ると「している」になります。
挨拶や感謝の大切さは誰でも知っているかも知れませんが、ちゃんと「している」人は少ないかも。
同じ言葉でも、人の心を温める事も出来て、それが大切な事もみんな知っている。
あとはそれを継続して続ける事が出来るかどうかだと思います。
ホテル、リッツカールトンでも、有名なクレドと共にスタッフが常に携帯している『サービスの3ステップ』というものがあります。
その一つに
【感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。できるだけお客様のお名前をそえるよう心がけます】
と言うのがあるそうです。
一流ホテルのメンバーでさえ、お見送りにここまで意識が必要なほど大切なのが挨拶だと言う事なんでしょうね。
心を込めた挨拶、まずは自分から実践していきたいですね。
あなたの毎日がワクワクに溢れますように。