萩本欽一さんと中村文昭さんの皿洗いのお話
【運と縁とリーダーシップ】
先日観た(聴いた?)ワクワク系小阪さんと、楽天大学学長仲山さんとのウェビナーで運の話しで萩本欽一さんの話しが出ていて、その本ではないですが、欽ちゃんの以前読んだ本の話し思い出しましたので、紹介します。
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ほとんどの人は「損をしたくない」と思って生きていますよね。
だけど、そういう生き方をしていると、自分でも気がつかないうちにずるくなったり、意地悪になったりしやすいと思うの。
だって今の世の中がそうでしょ?
みんなで得しましょう、損をしたい人は勝手に苦労してなさいっていう仕組みになってますよね。
幸運もお金も人のあいだをぐるぐる回ってるんだから、すべての人が一緒に得をするなんてありえないんですよ。
幸せになりたいと思うなら、進んで損をしたほうがいいの。
人とつき合うときは、率先して損な役回りをすると、だれかが幸運を持ってきてくれます。
自分のために損をしてくれた人がいたら、うれしくなるでしょ。
だから人間関係が円滑になるし、一緒に仕事をするときも信頼関係が早く結べるんです。
かといってなにか見返りを求めて損をしたり、相手にとって負担になるような極端なことをしちゃダメ。
このあたりはバランスを考えて行動しないと運にならない。
僕の場合、なにか事を興(おこ)すときは必ず損から入ります。
これを覚えたのは、高校時代でした。
高校の三年間はいくつものアルバイトをしてたんですが、いちばんうれしい思いをしたのは京橋の洋食屋さん。
なにがうれしいかって食べ物屋さんですから、食材があまるとアルバイトにも食事を出してくれたんです。
ここでアルバイトをしたのは高校二年の夏休み。
僕と同時にあと二人、学生が雇われたんですが、女主人はまず僕を見てこう聞きました。
「仕事は三つあるの。キャベツを切ったりカツを揚げる仕事。配達、皿洗い。どれにする?」
迷わず言いましたよ。
「僕、皿洗いにします」
ほんとはカツを揚げたかったけど、だれでもこれを選びそうでしょ。
だからあとの二人と険悪にならないよう、いちばん人がやりたくない皿洗いを選んだんです。
店の主人にいいとこ見せよう、という気持ちもちょっとはありましたけどね。
で、皿洗いを始めたら、鍋底がみんな真っ黒。
店にあるタワシじゃぜんぜん落ちないの。
自分から選んだ仕事だったから、これをどうにか落としてピッカピカにしたくてね。
自分で20円だして金属のタワシまで買って、いつもお皿と鍋をきれいにしてました。
このバイトは夏休みいっぱいの約束で、最後の日にバイト仲間三人で帰ろうとしていたら、「萩本君、ちょっと」って店主が奥から僕を呼びとめました。
行ってみたら、こう言われたんです。
「萩本君、よかったら卒業するまでうちで働いてくれないかい?」
ちゃんと僕のこと見ててくれたんだ、って思いましたね。
自分から損したり、一生懸命やってれば、やっぱりだれか見ててくれるんだって、やけにうれしかったな。
自慢話みたいでいやだけど、でも「損から入って一生懸命やろう」ってこのとき思ったのね。
どんなちっちゃなことでも損から入るといいですよ。
人のために自分の時間や知恵やお金を使うと「睡眠時間が減る」とか「頭が痛い」「心が痛い」「ふところが寒い」などなど、いろいろな不都合があると思うのね。
でも、それぐらいは我慢しちゃうと、あとで運になります。
損のままで終わる人生ってないんです。
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「幸せになりたいと思うなら、進んで損をしたほうがいい」なかなかの視点です。
確かに「苦労は買ってでもしろ!」と昔から言われますが、その場になるとなかなかできないものかもしれません。
でも、こうした視点や思考を頭の片隅に入れているだけでもその後の行動に変化がでるかもしれませんね。
さて、皿洗いで思い出しました。講演家中村文昭さんの話しが印象的だったんです。
昔、野菜の行商していた頃、中村文昭さんは師匠から、イキナリ
「お前はバーをやれ!」
と言われたそうです。いわゆるお酒を飲むあのバーです。
いきなりなので、その勉強の為、一流ホテルにアルバイトに入ったものの、来る日も来る日も皿洗いの毎日。
しかし、バーのオープン日は刻一刻と迫ってきます。
そこで、師匠に会いに行き
「あそこのバイトは皿洗いばかりで、何の勉強にもなりません。もうやめたい」
と言いました。
すると師匠から
「お前、世界一目指したのか?」
と言われます。
「皿洗いで世界一?意味わからん!」
って、なりそうですが、そこは「返事は0.5秒」の文昭さんです
翌日目覚まし時計を皿洗いの目の前に置き、イナズマの如く皿洗いをし始めます。
するとこれまでほぼ無視していたホテルの先輩方が
「お前何やってるの?」
と、聞いてきます。
そこで
「僕、皿洗いで世界一目指してるんです〜、ほんまアホでしょー?」
と言いつつ、凄い早さで皿洗いを続けます。
最初、面白がってバカにしたり、冷やかしていた先輩方も、途中から
「俺らこいつの事バカにしているけど、ここまで必死に仕事してるか?」
と、気づき始めます。
すると次第に職場の雰囲気が変わり、文昭さんに接する態度も変わり始めます。
そのタイミングで料理長から、急に食材が切れたので
「誰でもいいから、キャベツ買ってこい!」
という指示とお札が投げられました。
誰よりも早くそれを握りしめ、信じられない早さで買い物をしてきた文昭さんはそこで料理長に顔を知ってもらうことに。
その後、自分の想いを語り、共感してもらうことで、通常では下っ端のアルバイトでは体験できない、カウンター内の仕事と手伝わせてもらうことに。
通常、順番を飛ばされた先輩からの嫉妬があって当然ですが、その頃にはイナズマで文昭さんの仕事を認めていた先輩からは
「お前だったら、抜かされても許せるよ。おまえがんばってたもんな」
と声を掛けてもらったそうです。
そして実際のバーのオープンの時には、ホテルの仲間たちの無償の手伝いもしていただけ、事業を成功させることができたそうです。
運と縁は不思議な、だけどなぜか必然性を感じるものです。
長く生きればそれだけたくさんの出会いや運を感じるもの
さて、この話でも運と縁が出てきますが、大切なのはその行動をするかどうか?
めまぐるしく変化の早い現在、運をまっているだけではダメなんでしょうね。
まずは行動する、そしてリーダーシップは地位や名誉、身分や役職でなく、だれでも自分自身の行動でとることができる。
そんなことを感じる日々です。
あなたの毎日がワクワクで溢れますように。